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幸せを感じる脳のしくみ

院長 豊山弘之  2025年3月

美味しい食事を味わったとき。

心が震えるような景色を目にしたとき。

大切な人と笑い合えたとき。

念願の目標を達成できたとき。

行きたかった場所へ足を運べたとき。

何気ない瞬間に、ふと幸せを感じることがあります。そして、それを誰かと分かち合えたなら、その喜びはより深く心に刻まれるでしょう。

「幸せ」を感じるとき、私たちの脳はどのように働いているのでしょうか。幸福感は単なる感情ではなく、脳内の化学反応や神経伝達物質の働きによって生まれる、奥深い生理的現象の一面を持っています。


神経伝達物質と幸せ

幸せを感じるとき、脳内ではさまざまな神経伝達物質が働きます。


ドーパミン:達成感や喜びをもたらします。「美味しい食事」「目標の達成」などの瞬間に分泌され、快感を生み出します。


セロトニン:気分の安定に寄与し、ストレスを軽減。穏やかな幸福感をもたらします。


オキシトシン:「愛情ホルモン」として知られ、親密な人間関係や絆を深めることで分泌され、安心感や満足感を高めます。


しかし、幸福感の感じ方は単純ではありません。神経伝達物質のバランスだけでなく、その日の体調や


過去の経験によっても左右されるのです。たとえば、鍼灸治療ではβエンドルフィン(脳内オピオイド)が放出され、痛みを軽減するとともに多幸感をもたらすと考えられています。


一方で、不安やストレスが増すと、脳はコルチゾール(ストレスホルモン)を過剰に分泌し、持続的な不安や心配を引き起こします。扁桃体が活性化すると恐怖や不安の感情が強まり、前頭前野の働きが低下し、ポジティブな思考が妨げられてしまいます。この状態が続くと、ドーパミンやセロトニンのレベルも低下し、喜びや満足感を感じにくくなるのです。(12月号「記憶」をご参照ください)

幸せを遠ざけるもの

脳の報酬系が正常に機能しなくなると、幸せを感じる力が弱まり、日常の喜びすら見えにくくなります。争いや対立は、幸福感をもたらすどころか、ストレスを増大させ、さらに不安を引き起こします。

どのような理由があろうとも、戦争や争いは決して幸福につながるものではありません。対立が続けば、ストレスが積み重なり、社会全体が負の感情に包まれてしまうのです。

幸せを育む行動

日常生活の中での少し行動の変化を楽しむだけでも、脳が幸福ホルモンを分泌し、人生をより豊かに彩ることができるのかもしれません。

感謝の気持ちを持つ:日々の小さな出来事に感謝することで、セロトニンが分泌され、穏やかな幸福感を得られる可能性があります。

人とのつながりを大切にする:友情や家族の絆、ペットとのふれあいはオキシトシンの分泌を促し、安心感をもたらします。

運動や瞑想を取り入れる:軽い運動や瞑想は、ストレスを軽減し、ドーパミンやセロトニンのバランスを整えます。

幸福は、脳内の化学反応だけで生まれるものではありません。行動や体調、対人関係によっても大きく左右されてゆくのです。日々の小さな幸せを見つけ、感謝の心を育み、人とのつながりを大切にすること‥こんな感性が、真の幸福感を育む鍵となるように思います。

幸福感は、脳が奏でる美しい楽曲のようなものなのかもしれません。そして、その旋律を響かせるのは、私たち自身の心と行動なのでしょう。

ご精読ありがとうございます。今日も皆様の幸せを願っております。

  豊山 弘之

Figure p1: KALE :minamiaoyama ; Photo by Hiroyuki Toyama



1. **Toyama, Hiroyuki**. (2023). 幸せを感じる脳のしくみ. *心理学レビュー*, 12(3), 45-60.

2. **Smith, J.** (2021). The Role of Dopamine in Happiness. *Journal of Neuroscience*, 15(2), 112-120.

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