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脳の健康を育む⽣活習慣戦略
睡眠の⼒ 「陽にあたろう!」
院長 豊山弘之 2025年2月
これまで多くの地域で診療を続けてきた中で、患者さんが抱えるお悩みには地域ごとに微妙な違いがあることに気づきました。
特に志太地区では、不眠に悩む患者さんが少なく、ご相談があっても⽐較的軽症である印象があります。この違いには、地域特有の天候や地形がもたらす⽇照時間の⻑さ、そして都市部とは異なる穏やかなライフスタイルが影響しているように思います。
かつて都市部の救急病院で働いていた頃、その環境は“眠らない街”そのものでした。夜通し救急⾞のサイレンが響き、街にはネオン街やパチンコ店が並び、喧騒が絶えることはありません。⾼層ビルが太陽を遮り、空を⾒上げるには遠くの河川敷まで⾜を運ぶ必要がありました。当時、光化学スモッグの影響も深刻で、睡眠不⾜に伴う頭痛やめまいを訴える患者さんが多く訪れていました。私⾃⾝も救急病院の勤務に追われる中で⼗分な睡眠を取れず、その影響を肌で感じる⽇々でした。
志太地域に移り住み、最初に感じたのは広くて明るい空の存在でした。当地では、夜間に賑わうのはコンビニ程度で、都市部とは対照的な静寂に包まれています。この静けさと⽇中の陽光が、地域の皆様の睡眠に良い影響を与えているように感じています。
科学的にも、⽇中に陽光を浴びることは体内時計を整え、⾃然な眠りを促進する効果があるとされています。太陽光を浴びることで、睡眠ホルモンであるメラトニンや、気分を安定させるセロトニンの分泌が促され、夜の⼼地よい眠りへと導かれるのです※1。
睡眠は、脳にとって⽋かせない時間です。深い眠り(ノンレム睡眠)の間に神経細胞の結びつきが強化され、新しい情報が⻑期記憶として保存されます※2。また、浅い眠り(レム睡眠)では情報の整理や創造性を⾼めるプロセスが進みます※3。(前号“記憶”もご参照ください)
これらの睡眠プロセスが正常に⾏われることで、ストレスへの対処⼒や判断⼒が向上し、⽇々の⽣活を⽀える基盤となります。質の⾼い睡眠は、私たちの脳と⾝体の健康を守る、最もシンプルで効果的な⽅法なのです。
理想的には、毎朝15 分ほど⽇光を浴びる習慣を持つことが推奨されます。特に、朝起きて1時間以内に太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜の眠りが深くなる効果が期待できます※4。
しかし、夜勤や⼦育てなどで睡眠リズムを整えるのが難しい場合もあるでしょう。そのようなときには、遮光カーテンや静かな寝室、適切な室温と湿度を保つなど、睡眠環境を⾒直すことが重要です。また、寝室にできる限り電⼦機器を持ち込まず、リラックスできる時間を確保することも有効です。短時間睡眠を推奨する⽅法が話題になることもありますが、科学的根拠に乏しいものが多く、⻑期的な健康には適していません。統計的には、7 時間前後の連続した睡眠が⼼⾝の健康にとって最適とされています※5。
⾃然のリズムに寄り添い、⽇々の睡眠を丁寧に育むことは、私たちの⼼と体に深い安らぎをもたらします。その積み重ねが、明⽇への活⼒となり、皆さまの⽇常をより穏やかで豊かなものにしてくれるでしょう。
今⽇も⼼地よい眠りで良い明⽇を!
Phot by Hiroyuki Toyama
参考⽂献
1. Riemann, D.et al (2017). Sleep, circadian rhythms, and depression. Dialogues in Clinical Neuroscience, 19(4), 323‒335.
2. Walker, M. P. (2017). Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams. Scribner.
3. Stickgold, Ret.al (2013). Sleep-dependent memory triage: Evolving generalization through selective processing. Nature Neuroscience, 16(2), 139‒145.
4. Khalsa, S. B. S. et.al (2003). A phase response curve to single bright light pulses in human subjects. The Journal of Physiology, 549(3), 945‒952.
5. Hirshkowitz, Met al. (2015). National Sleep Foundation's sleep time duration recommendations: Methodology and results summary. Sleep Health, 1(1), 40-43.