豊山弘之院長は１９９３年、東海大学医学部附属病院で脳神経外科医としてのキャリアーをスタートさせ、関東圏の救急病院を中心に脳外科医としての経験を積んできました。その当時、重症くも膜下出血や手術不能例など、救い難いケースに直面し、「くも膜下出血を未然に防ぐことが出来れば…」と考え未破裂（出血する前の）動脈瘤治療に取り組んできました。 

2005年に志太記念脳神経外科を創設し、それまでの２９７例の脳動脈瘤治療経験を基に、開頭治療と脳血管内治療（カテーテル治療）を駆使し、より患者さんにやさしく、質の高い治療を目指しあらゆる設備を整えこれを実行してきました。 ２０２３年１２月時点で志太記念脳神経外科開業後、開頭クリッピング術、血管内治療を合わせた脳動脈瘤治療件数が術者として７２５件にのぼり、総計1,000例を超えました。（開頭クリッピング術７２７例、脳血管内治療３０５例） 

治療成績においては、７２５例中未破裂動脈瘤に術後永続的な合併症が２例あったものの、いずれも日常生活自立レベルであり、合併症率は限りなくゼロに近い結果でした。 

治療に際しては、まず安全を最優先に考え、全身状態を確認し、最高水準の設備で検査を行います。術前には病変の３Dプリンターモデルを作製しVINCENTという術前シレーションシステムソフトを使用して画像解析し、徹底した治療計画を練ります。術中には手術ナビゲーションシステムや術中筋電図ほかモニタリング、ICG術中血管造影などの機器を駆使し、ケースによっては他の専門医の協力を頂くためにこれまでお世話になった先生方とのネットワークも活用させていただいています。

脳動脈瘤治療の症例は国内だけではなく、海外でも持つ豊山院長。今回は2023年９月インド、コルカタでの手術助手としての治療記録を掲載させていただきました。ギネスブックに5,000例以上の脳動脈瘤クリッピング術者として収載されている新川橋病院、佐野公俊先生が開頭クリッピング術における豊山院長の師匠で（写真左） 佐野先生主催のインド脳動脈瘤アカデミーにお手伝いに行くことも度々あります。豊山院長は「師匠からは手術の技術論だけでなく脳外科医としての信念や姿勢、生き方を学んでいます。さらに脳神経外科診療の精度を高めてまいりたいと思います」 「慢心することなく邁進したいです」との熱い思いを語ってもらいました。

 2024年2月 総務課 増井記